「自分だけが忙しい」を解決する仕事術ーエクセルの関数を教えていて思ったことでも。
つい先日まで、数人でやっている入力作業をエクセルで簡略化をしたいということで、教える機会がありました。
実現したい事を叶える関数を教えただけなので、頑張ったのは依頼者本人ですが。
無事完成させていました。
その時の本人の様子を見ていて少し不安に思いました。
「この苦労して作ってるシート、他の人も使ってくれるんだろうか。」と。
エクセルのシートができあがったことに満足して居る様子で、その後の事は考えているのかな?という不安です。
他の人が使ってくれないから自分だけ入力する事になる
→多分、二重ワーク発生(入力されていない分の補填のため)
→自分だけが忙しい(無駄な作業が増えて)
→他の人がやってくれないから悪いんだ!
→どこかで折れて元に戻る
→悪循環
ということですね。
今回はエクセルシートですが、他にも何かしらのツール導入でも言える事かと思うので、今回記事にしました。
簡単に言うと、ツールを用意したら仕組みも用意しましょうという内容です。
用意したツールを利用してくれないのはなぜ?
原因はツールを用意した側と、作業する側両方にあります。
それぞれ少し解説してみます。
・ツールを利用する側の原因は?
大きく5つの原因があります。一つずつ見てみましょう。
①使い慣れている今のものを変えたくない
習慣となっている行動を変える事に、人はストレスを感じてしまいます。
その結果、拒絶反応を起こし現状維持を求めます。
例えば、明日から一時間早く起きなさいとだけいわれると、
「嫌だなぁ・・・」と思いませんか?
②使い方が分からない
ただ単に使えないと言うことだけでは無くて、パソコン=苦手のような、
拒絶反応も含みます。
使い方を覚えたら楽になるのに、難しそうとか苦手意識といった思い込みですね。
③いつ使えば良いか分からない
これは前向きな方だと思います。
しかし、今までの習慣に組み込まれていない内容なので使うタイミングが分からなくなってしまいます。
④使う理由が分からない
今あるものになれているという意味合いもあると思います。
今あるもので問題無く作業出来ているのに、わざわざ変える必要は何?
という感じでしょう。
⑤自分の仕事が無くなってしまうから
これを考えて反発する人はいるでしょうね。
今後さらにAI化やロボット化が進んでいくと、避けられないものです。
しかし、冷たい言い方をすれば思い込みであり、自分を成長させられていないという事になってしまいますが。
このように、実際に使って作業する側はストレスを感じる事で、使わない理由探しを始めます。
実際に声を出して言うのは①~④の内容で、腹の中で⑤を抱えているという感じでしょう。
これらを論破とは言いませんが、納得してもらうことは必要になります。
・ツールを用意する側の原因は?
ツールが悪いのでは無く、オペレーションが無いというのが原因です。
要するに導入後の使い方やルールというものです。
今回のようなエクセルの入力シートを作成したり、何かしらのツールの導入を決める事は、かなりの労力を使うと思います。
機能を考えたり、実務面でどのような良い変化が生まれるかを考えたりしますので。
その分、「仕事をした!」という達成感が生まれやすいのも事実です。
その達成感により、実際の使い方を考えず、「どうですか!」となるわけです。
結果、ツールを使う側の原因を一つも解決出来ません。
気がついたら、用意したツールが使われなくなり、元に戻ります。
以上が、ツールを使う側とツールを用意した側の原因です。
少し落ち着いて考えると、ツールを用意した側で回避できる内容だと思いませんか?
回避は、導入の目的と導入の計画を立てることで可能です。
ツールやシステムを導入する根本的な理由を忘れずに
業種により導入するものは違えど、導入する目的は根本的にこちらでしょう。
・作業を標準化して誰でも同じくらいのレベルで出来る様にする
入力作業などの実作業もそうですが、報告する内容や方法などを統一するというものでもそうだと思います。
入力作業で言うと、使っているものが統一されていないとかはあり得るかもしれません。同じシートを使っていても、関数を組んで簡略化出来る人と出来ない人の差などです。
報告する内容で言うと、分かりにくい報告をしてしまう人に対し、報告する内容を指定する事で分かりやすくするという意味合いです。
他の事でも同じです。
作業レベルの話で言えば、効率的に出来る人と出来ない人の差を無くす。
→差を無くせるようなツールと、そのツールを動かす仕組みを作る。
思考の話でも、事業戦略を導き出せる人と出せない人の差を無くす。
→思考の手順が違うと予測出来るので、その道筋を分かるようにする。
かなりあいまいに書いていますが、要するに品質なり効率なりの水準を引き上げたいというのが目的なのではないでしょうか。
そのために、ツールを用意したのではないでしょうか?
この根本的な事を忘れないようにしましょう。
3つの教育を計画してオペレーションを設定する
使い方やルールというオペレーションを設定するためには教育が必要です。
周知させるという言い方でも良いです。
ここで重要なのは、教育自体や周知自体ではなく、使い続ける仕組みを作ることです。
計画する教育内容は、①使い方と②使うタイミングと③使う理由です。
①使い方の教育
単純に用意したツールの使い方です。
入力箇所の説明であったり、入力後どこで保存するかや、その結果どうなるかです。
これで、使い方が分からないを回避します。
②使うタイミングの教育
いつまたはどんな時に使って欲しいかを教育します。
ほぼどこでも使用している勤務管理の仕組みとしてタイムカードがあります。
出勤したら操作して、休憩の時に操作して、退勤の時も操作する。
このような事を、導入するツールの目的によって設定し、教育します。
場合によっては、タイムテーブルや場合分けのようなものを作っても良いでしょう。
③使う理由の教育
これが一番難しいのですが、一番取り組まなければなりません。
なぜなら、使う理由を明確にすることで作業内容を一段階上げられるからです。
どういう事かというと、使う理由の大半は何かを効率化する事だと思います。
なので、時間が短縮されて作業する側が他の作業を行えるようになります。
そのため、空いた時間を作業した内容の集計であったり分析に使えます。
コミュニケーションの時間を作ることも出来るかもしれません。
その空いた時間の活用方法を、しっかりと教育しましょう。
この教育の形は、文章とかでも良いでしょう。
文章を作って、「分からない事は担当部署まで!」という方が効率は良いかもしれません。
まとめ
思った事を書いたので少し雑な内容になっている気もしますが、要するにツールを用意するだけでは無く、そのツールを使う環境を整えましょうということです。
そこまでが、用意する側の仕事です。
使え続けるための仕組みを作り、いつ、どこで、誰がやるのかを明確にすることが、使い続けることに繋がります。
相変わらず精神論の様な話になってしまっているので、次回は具体的に仕組み化することのメリットについて書こうと思います。
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